【例文】結婚式　友人代表スピーチ（ずっと離れて暮らしていた新婦と、久しぶりに会う結婚式で祝辞を贈る立場）

洋子、久しぶりだね。10年ぶりです。10年ぶりに会うのが、洋子の結婚式だなんて、嬉しいような、ヘンな感じがするような。でもやっぱりすっごく嬉しいような。いろんな気持ちをもって、今日、ここに来ました。

結婚の話を聞いてから、洋子に会えるのを楽しみにしてたんだけど、実は少し緊張もしてました。でも、いざ洋子の笑顔を見ると昔と全然変わってなくて、安心しました。

じゃあ、10年ぶりに洋子に話すね。手紙を準備してきたので、それを見ながら話します。洋子へ。小学校のときから、私たち、ずーっと一緒にいたね。家が近 所というか、もうすぐ目の前にあるお向かいさん同士だったから、覚えてはいないけど、ぜったい赤ちゃんのころから私たち知り合いだったと思うよ。

気づけばいつも一緒にいて、いつも競争していた私たち。勉強も習字も水泳も、お互い負けたくない一心で必死だったよね。中学でも、同じバスケ部に入っちゃったもんだから、本当にずっと競い合ってた気がします。

私よりも洋子のほうがテストの点数がよかったり、うまく書けていたりすると妙に悔しくて。でね、いつも楽しかったんだ、私。「テストどうだった？」とか、 「薔薇っていう字は画数多いからやだよ」とか、「あの先輩こわいよね」とか。なんだかそんなふうに、洋子と話をしているのが、当たり前になってました。でも、中３の夏に私のお父さんの仕事の都合で急にイギリスに行くことが決まって。なかなか洋子に言い出せなくて、結局お母さんづてにばれちゃったんだよね。

洋子あのとき、すっごく悲しんでくれて、寂しがってくれて。そんな洋子を見ると、私もなおさら「イギリスなんか行きたくない」って思ったんだ。あの日の夜 ね。今でも覚えているんだけど、お父さんに言ったの。「ねえ、ほんとに行かなきゃいけないの？だったらお父さんだけ行けばいいのに」って。お父さんの困ってる顔見たらそれ以上何も言えなかったんだけど。

イギリスに出発する日、空港で洋子がみんなからの寄せ書きを渡してくれたよね。そんなの全然知らなかったから、びっくりしてつい泣いちゃって。そしたら洋子も一緒に泣いてくれて、二人で空港で大泣きしたのは今でもよく覚えてるよ。

向こうでの生活は、私にとってすべてが目新しくて、だからこそ大変なこともたくさんあって。でもね、家に帰ってきて、「洋子にメールしよう」とか、「今日 は洋子とスカイプする日だ」って思うと、近くに洋子はいないはずなのにいるような気がして、すごく心強かった。雄二さんとの話は洋子から聞いていて、ずっと会ってみたいなって思ってたから、今日こうして会って話すことができて本当に嬉しいです。洋子からよく聞いてたからかもしれないけど、初めて会ったっていうより昔から知ってたみたいな気がして、多分それは洋子と雰囲気が似てるからなのかなと思います。

今日からいよいよ奥さんですね。10年ぶりに会う洋子が奥さんだなんて、少し気恥ずかしいけど、10年分の笑顔をもらえたみたいで、幸せです。洋子はこれ からどんな家庭を作っていきますか？私は洋子には、洋子のままでいてもらいたいです。私が思う洋子は、優しくて、頑張り屋さんで、友達思いで、洋子が笑うとみんなも笑顔になる、そんな素敵な女性です。これからはもっと楽しいことも増えて、てもそれ以上に悲しいことも苦しいこともあるかもしれません。でも、洋子と雄二さん、二人の笑顔を武器にすれば、どんなことでも絶対乗り越えられると思います。少し遠いけど、私もいるしね。

洋子、ぜったい幸せになってね。「洋子、幸せそうにしてるんだろうなあ」って思いながら、次に会える日を、楽しみにしていま す。って、あまりにも幸せそうだったら、それはそれで中学のとき競い合ってたことを思い出して、私も早く結婚したいなあって思うかも。

今日洋子に会えて本当によかった。これからも今まで通り、くだらないことで笑いあえる、そんな関係でいようね。

【締めの言葉】